2018年10月19日(金)




キヤノンマーケティングジャパン株式会社、(左) 永坂氏(右)鈴木氏

 




毎年120~130%で急成長する
CMJのSalesforceビジネス




 2018年に創立50周年を迎えたキヤノンマーケティングジャパン株式会社(東京都港区)。1968年の創立以来、日本市場におけるキヤノン製品の販売・サポートを一手に担ってきた企業だ。さらに同社は近年、、ITソリューションやイメージングシステムから産業・医療など成長領域にも進出し、事業拡大に力を注いでいる。
 その中でも、成長著しいITソリューション事業において存在感を増しているのが、Salesforceビジネスだ。同社が、セールスフォース・ドットコムのコンサルティングパートナーとしてSalesforceライセンスおよびSIサービスの提供を開始したのは2008年。顧客情報の基盤確立のため、同年、自社でSalesforceを導入したことがきっかけだった。その後、同社におけるSalesforceビジネスは、毎年着実に成長を続け、今や同社のクラウド関連サービスの主力商材のひとつとなっている。
 エンタープライズビジネスユニットMA事業部金融営業本部の永坂文乃氏と、同部製造営業本部の鈴木英介氏は、そんな同社のSalesforceビジネスの発展を陰日向になって支え、牽引してきた人材だ。Salesforceに関する最新の知見を駆使して顧客のビジネスを成功へと導く、まさに同社における“Trailblazer(先駆者)”と呼ぶべき存在である。




活用事例の学習で視野を広げ
顧客に最適な解決策を提案


 これまで、永坂氏は4年、鈴木氏は2年半、Salesforceビジネスに携わってきた。その両氏が、
Salesforceの販売を推進する中で、自らを成長させる大きな転機となった、と口を揃えて挙げるできごとがある。2017年、セールスフォース・ドットコム主催の教育プログラムへ参加したことだ。
 プログラムはまず、セールスフォース・ドットコムの旗艦プロダクトであるSales CloudとService Cloudの実践デモを通じ、改めて標準機能への理解を深めるところから始まる。次に、セールスフォース・ドットコム社内および他社におけるSalesforceの活用事例から、標準機能を実際にどう使えばビジネスの成果につながるかを学ぶ。さらに、架空のビジネスケースについて顧客への提案書を作成する訓練を積む、という流れだ。



 鈴木氏は、その中でもセールスフォース・ドットコム社内の活用事例に関するセッションが特に印象深かった、と振り返る。
「それまでは、お客様に対して、弊社でどのようにSalesforceを使っているかという、社内のノウハウをもとに提案していたのですが、実はそこが不安でした。その使い方が本当に正解なのか、比べるものがないため判断できなかったのです。プログラム参加後、セールスフォース・ドットコムという“本家本元”での活用法を踏まえ、その上で弊社ではこう使っているという、いわば“二段構え”でお客様に提案できるようになった。説得力や訴求力が確実に上がり、それまで以上に自信持って話せるようになったと感じています」(鈴木氏)




キヤノンマーケティングジャパン株式会社、鈴木氏

 



 これと同様の実感は、永坂氏にもあるようだ。
「お客様へのアプローチの方法は、セールスフォース・ドットコムと弊社とでは当然違います。グループワークでそういうさまざまなアプローチ方法や考え方を知り、視野を広げられたのは、お客様の課題を解決するのに最適な提案とは何かを考える上で役立っています」(永坂氏)



キヤノンマーケティングジャパン株式会社、永坂氏

 

「Salesforceビジネスならこの人」
社内で絶大な信頼を寄せられる存在に


 「この営業本部でSalesforceビジネスについて聞くならこの人」――そのように両氏は今、社内で絶大な信頼を寄せられる存在となっている。プログラム参加の前後で、両氏を見る周囲の目はどう変わったのだろうか?
「私の所属する金融営業本部には、お客様の課題やニーズにあわせた業務改善策の提案が私よりずっと上手な先輩社員が多数います。ただ、製品の標準パッケージでもカスタマイズすることで、お客様の業務改善につながる案件も多数あり、製品をどう活用するかという知識・技術面に関しては、私が周囲から相談を受けるケースも増えてきました。」(永坂氏)
 所属する営業本部が異なるため、普段、直接会う機会はほとんどないものの、社内の噂として永坂氏の活躍ぶりをよく耳にするという鈴木氏。同氏にとって、各営業本部から担当者が集まるプログラムのグループワークは、他の営業本部の活動や実情に触れる貴重な体験だった、と語る。
「同じ会社内でも、営業本部ごとにお客様の特性や抱えている悩みは違いますし、当然ながらアプローチの方法も異なります。グループワークで共有したそうした情報は、自分の業務においても大いに参考になる、得がたいものだったと思っています」(鈴木氏)









現状に決して満足せず
さらなる高みを目指す


 Salesforceを顧客に最適な形で提供するための、広い視野と確かな知識。両氏はそれらを駆使して、今後も顧客の業務改善に取り組みたい、と意気込みを語る。
「Salesforceを使ったさまざまなアプローチの手法を知ったことで、たとえば、既存のお客様と同一の企業の別部門に対して、Salesforceの新たな活用法を紹介するなど、お客様のすそ野を広げるような活動の機会が増えています。それをいかに受注につなげるかが今後の課題ですね」(永坂氏)
「たくさんの案件がある中で、受注の確度を上げるため、限られたリソースを業界や業種を絞って投下する、いわゆる『選択と集中』を強化しています。それによって実際に商談化したものも何件かありますので、今後もこの調子で続けていきたいと思います」(鈴木氏)
 Salesforceビジネスを同社の主要なクラウド関連サービスへと成長させる上で大きな役割を果たしてきた両氏。しかし、その目はさらなる高みを見つめている。
「新規のお客様に提案をしたり、自分で勉強したりするときに、Salesforceに関する動画やPDF資料など、最新のコンテンツが欲しいと思うことがよくあるのですが、探すのに時間がかかります。商機を逸しないためにも、そうした情報を一か所に集めるなどの工夫が欲しいですね」(鈴木氏)
「Salesforce関連サービスはすごい勢いで増えているので、『このサービスはこのようなニーズに対してこういう活用方法がある』といった現場レベルでも理解しやすい具体的な形で提供してもらえると、更に拡販につながる施策を打てるようになると思います」(永坂氏)
 現状に決して満足しないそうした姿勢こそ、両氏が“Trailblazer”と呼ばれるゆえんなのだ。



永坂文乃氏 
エンタープライズビジネスユニット MA事業部 金融営業本部 金融SS統括部 金融SS第二グループ Salesforce.com認定アドミニストレーター
「Sales CloudやPardotなど、セールスフォース・ドットコムの製品は多種多様であり、また新機能追加も日々行われています。そのため、今まで以上に製品や新機能の理解を深め、お客様それぞれに寄りそった提案を継続していきたいと思います」



鈴木英介氏 
エンタープライズビジネスユニット MA事業部 製造営業本部 製造ソリューション促進部 製造SS第一グループ Salesforce.com認定アドミニストレーター
「今後は新規のお客様の開拓にも力を入れていきたいですね。それで結果を出せれば、“Trailblazer”の意義を社内でもっと訴求でき、仲間を増やすことができる。それによって弊社のSalesforceビジネスはさらに伸びていくでしょう」