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 印刷 2023年11月01日デイリー版2面

東大MODE、第2回シンポ。基盤研究など紹介

ポスターセッションも盛況だった
ポスターセッションも盛況だった

 東京大学大学院新領域創成科学研究科は10月30日、社会連携講座「海事デジタルエンジニアリング講座」(MODE)の第2回シンポジウム「MODE2023」を同大学本郷キャンパス(東京都文京区)で開催した。他産業で導入が進むシミュレーション技術を活用した開発手法に関する基調講演のほか、1年間で取り組んだ基盤研究について紹介した。

 開会あいさつと祝辞に続き、3者が基調講演を行った。マツダ統合制御システム開発本部の近藤秀一主幹エンジニアは、自動車産業でのモデルベース開発(MBD)を紹介した上で、船舶を含むモビリティー産業全体への活用について述べた。

 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の西村秀和教授は、どのようにDX(デジタルトランスフォーメーション)やデジタルエンジニアリングの活用箇所を見いだすか、またその推進について講演。

 MTIの安藤英幸取締役は、海事産業でのデジタルエンジニアリングの活用について現状を踏まえて説明するとともに、同講座の取り組みをロードマップと共に紹介した。

 1年間の活動報告では、風力推進船、自動運航船でのMBSE(モデルベース・システムズエンジニアリング)とMBD活用について取り組んだ基盤研究について、各シナリオでのシミュレーション結果を基に、今後の検討内容などをそれぞれ紹介した。

 また、基調講演と活動報告の間にはポスターセッションも実施。MODE Lab研究員・研究協力者による研究や学生プロジェクト計15件のほか、概要紹介などを含め17枚のポスターが張り出され、活発な議論が行われた。

 MTIの鈴木英樹社長は閉会あいさつで「技術革新だけではなく、海事産業をさらに魅力ある産業に変えて、魅力を伝えていくために、これまでの考え方・プロセスを変えていくことが大切。この思いで引き続きやっていきたい」と締めくくった。